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XI トムの物語 / Tom's Story
p.277 - p.309
この章は全体的にユダヤ教(旧約聖書・カバラ主義)に負うところが多い。




epigraph:シャルル・ピエール・ボードレール / Charles Pierre Baudelaire
説明不要なフランスの詩人。象徴派の先駆けにして頽廃主義の代表者。作品に『悪の華』『パリの憂鬱』『人口楽園』など。「ボードレールは最高の詩人ではないが最重要の詩人である」という評もされる。
「土牢の詩人は、病みほうけてだらしない身なり/その痙攣する足の下に原稿を撒き散らし……」 La Po(e:)te au cachot, débraillé, maladif, Rouant un manuscript sous son pied convulsif, Mesure d'un regard que la tereur enflame L'escalier de vertige o(u')s' ab(i^)me son (a^)me この詩は『悪の華』にあった気がして探しているのだが、見つからない……

 p.278
典型的な仏教の修行者を思わせる。:
多分仏教はそういうイメジを持たれているのだろう、と、私は思う。

エサウとヤコブ:
p.279のトルーアントの注記を参照。
  p.279
「非常にデリケートなミルフィーユの層を一枚一枚剥がしていくようなものだ」: 個人的に非常に気に入っている比喩。繊細さと大胆さ、丁寧さ、根気強さを要する作業に対しての美しい喩えである。 説明するまでも無いが、ミルフィーユ(mille feuilles)とはクレープの生地の上にクリームを塗り、更にその上にまたクレープを重ねていくフランスの菓子である。生クリーム以外のものを挟む場合も多分あるだろう。その何枚も重ねられたクレープの生地を葉に喩えて「千枚の葉」=「ミルフィーユ」。 ちなみにフランス語の読みの規則に従うとmille feuillesは「ミルフイユ」
  p.280
リベカ:
 創世記25章23―24節 マニラ封筒:
マニラ麻から取れる繊維で作られた茶色っぽい封筒。
  p.282
十二段階プログラム: アルコール中毒の治療プログラム 様々な嗜癖の克服に応用されている。
  p.283
エサウの祝福はマスクを使って奪われた。:
だがニーチェの書いている通り、「あらゆる非凡な魂はマスクを必要とする」:
 註237いくつかのテクストには奇妙な誤植があり、アーロン・スターンのテクストにもそれが見られる。「だが目の見えないイサクは繰り返し尋ねた。『おまえは本当にわが息子エサウか?』これに対して選ばれた者は『わたしです』という意味で『アニーです』と応えている」:  なんだこりゃ? 「盲人を道に迷わせる者は呪われる」:  申命記27章18節 記号
  p.284
「……巧みな狩人」: 「野の人」: 「穏やかな人天幕の周りで働く」:  Z老人:創世記27章24節参照  トルーアント:創世記27章29節  編集者:創世記25章27節

流出界(アツイルト)のトーラーの律法: カバラ主義では、 一切は神から生じて、諸々の段階を経てまた神へと帰結する メジャーなセフィロトの樹の図柄は、アタナシウス・キルヒャーによるものである。 →セフィロトの樹‐Wikipedia: 「(前略)彼は弟子達に対し、彼らが『エサウに至れば』それが発効すると約束している。これはすなわち"アビス"の通過がその完全な破壊と消滅により最終的に達成されたときという意味である(後略)」:
  p.285
ハシド派: ユダヤ教の中でも特に戒律に関して厳しい一派。

「(前略)まるで使者の杖に絡みつく二匹の蛇のように、この二人の兄弟は分かちがたく絡まり合っていたし、これからもそうだろう。そして使者の杖と同じように、二人が分かち合う歴史は意味を作り出し、その意味とは健康である」: 杖に絡みつく二匹の蛇は、ヘルメスの持つ杖・ケリュケイオン(ギリシア語。ラテン語ではカドゥケウス)を彷彿とさせる。
ケリュケイオン‐Wikipedia ヘルメス(マーキュリー)が語源的に商業と関係が深い所為か、商業のシンボルとして用いられている。
なお頻繁にこれと混同される(というか私がまさに混同していた)のがアスクレピオスの杖で、此方にはケリュケイオンのような羽はなく、巻きついている蛇は一匹である。アスクレピオスは医神であり、神殿は其処へ行って夢を見ると心身の不調が直るとかいう霊験あらたかな場所で、周辺には蛇が沢山居た。そんなわけで、アスクレピオスの杖は医療を象徴するものとなっている。(Wikipediaによれば、アスクレピオスの杖は"medical caduceus" と呼ばれてしまっているらしい……)
アスクレピオスの杖‐Wikipedia

マングースのように恐怖を見つめつづけている:
この直喩は何なんだろう(笑)恐怖=コブラ?

 p.286〜 トムの物語
  p.290
空電: 広辞苑には「雷によって発生する電波。ラジオ受信などの妨害になる」とある。雷が発生しているかどうかは分からないが、とりあえず電波によって無線が通じなくなっている。
  p.292
期待:expect
演説:oration
痰を吐く:expectoration

レモン・メレンゲ: レモン・メレンゲ・パイのこと。レシピはこちら
POE(ダニエレブスキーの妹がヴォーカルを勤めるバンド)のアルバム"haunted"にも、レモン・メレンゲ・という曲がある。
  p.293
バチカン:Vatican [固有名詞(地名)] ヴァチカン市国とも。教皇庁の別称として用いられる事もある。ローマ市内にある小独立国で、ローマ法王が統治する世界最小の国(面積0.44平方キロメートル)。サン・ピエトロ大聖堂やヴァチカン宮殿、教皇庁がある。国中を歩いて散歩できる。
→ヴァチカン ドーピー: 「白雪姫」に出てくる七人の小人の一人。 http://www.aa.e-mansion.com/%7Erydeen/das-dopey.html Disney "Forever Magic" ドーピーはペンギンをファックした! http://www.mars.dti.ne.jp/~narazaki/jokes/japanese/225j.html A mine of Jokes!!内 私にはよくわからない……なんでペンギンなんだろう。あと、ドーピーという名前はひょっとして"dope"から来ているのか。
  p.294
日曜学校:Sunday school
キリスト教会で、宗教教育を目的として日曜日に子供を集めて開く学校。
  p.295
ショートリブ:
  p.296
ノアの箱舟: 世界一有名な例の舟。堕落しきった地上を一掃せんが為に行なわれた大洪水の前、神はノアに箱舟を作り、動物達をその中に入れるよう命じた。勿論この舟は木で出来ている。 またまた登場していただいて申し訳ないが、アタナシウス・キルヒャーはノアの箱舟の中がどのような風になっていたかを描いている。
あれは去年の十二月、おれがザンパノの名前を聞く一ヶ月前の事で:
1997/11?
十一月二日の諸魂際(オール・ソウルズ・デイ):
ベルエアの祝祭:
下段の「ハウス」がずれているのは私だけだろうか。 コークのやりすぎで血を流し: コーク(coke)=コカイン(cocaine)。コカインをやりすぎると鼻の粘膜が損傷し(勿論損傷するのは鼻だけではないが)鼻血が出る。
Andrew.D.Kのアルバム"I get wet"のジャケットは彼が鼻血を出している写真のアップだが、海外ではコカイン患者が鼻血を出しているようだと問題になり、鼻血の部分を白く覆うカバーがついたそうだ。うーん。

  p.299
コスモポリタン:cosmopolitan
そもそもは世界市民、転じて世界を股に掛ける人の意。世界市民主義(コスモポリタニズム)とは、国家や民族を超越した世界社会を実現しようとする考え方の事。 随分現代的な思想のように思えるが、紀元前のギリシアでディオゲネスが提唱したのが初。 →コスモポリタン‐Wikipedia ー?ディオゲネス‐Wikipedia 唇は死体のケツから〜……:
女性の唇に対する形容とは思えない(笑)トルーアントは死体の臀部なぞを目にしたことがあるのだろうか。 カントリーとパンテラ:
以前パンテラを薦められたことがあったが、アルバムタイトルをいきなり邦訳で並べ立てられたので随分魂消た。 →パンテラ‐Wikipedia 魂消た理由が理解していただけるかと。(笑) →PanteraオフィシャルサイトPANTERA - The Frightened Oneパンテラ‐goo音楽 ペキニーズ:Pekingese [一般名詞]
=Pekingese dog.中国原産の小型犬。 →ペキニーズ‐Wikipedia
  p.301
これもまた迷子みんなのママだ。:
  p.305
第三日、00:54: 階段下の混乱に伴うかのように空電が増える。
  p.306
螺旋階段の踊り場:
螺旋階段に踊り場ってありましたっけ?



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