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IV ネイヴィッドソン / Navidson
p.29 - p.47




epigraph:ディードリク・ニッカーボッカー / Dietrich Knickerbocker
ワシントン・アーヴィング(1783-1859)が"History of New York"で使った筆名。『スリーピー・ホロウ伝説』は彼の著作。
経緯からして、「ディードリヒ」が正しいようだ。
Wikipedia-ニッカーボッカー
Wikipedia-ワシントン・アーヴィング


 p.30
不安
不安と恐怖の違いは明確な対象の有無である。「音」「蜘蛛」のように、対象が明確である場合は「怖い」と云う。それに対し、不安は明確な対象を持たず、対象があったとしても心理状態は漠然としている。……と習った。

ハイデガー:Martin Heidegger [固有名詞(人名・実在)]
ドイツの哲学者。
Wikipedia-マルティン・ハイデガー
 p.31
元ナチ:
ハイデガーを指す。彼はナチスに入党していた時期があった。

ルートビール色:
ホエーエルズトゥからの手紙にも出てくるこの飲み物は、アメリカではメジャーなようである。黒ビールに似た色からこう呼ばれるが、アルコールの類ではない。「ルートビール」で検索をかけると、様々なメーカーのものが見つかる。ちなみに私が聞いたところによると、そのお味は「ドクターペッパーを数倍強烈にしたような味」……興味のある方はどうぞ。私はお断りします。
 p.32
カメラルシダの立体虚像:camera lucida [普通名詞・写真]
Lucidaとはラテン語で光のこと。鏡やプリズムを利用して、平面の上に物体の虚像を投影するという仕組みになっている。写生によく利用された。
ちなみにルチーア(ルーチェ)という女性が実在し、その名前から眼疾病の守護聖者となっている。
カメラ・オブスキュラ(camera obscura)は、暗室を利用した原始的なカメラで、改良して小型化されて以降、多くの画は絵を描くためのトレース道具として用いた。今日のカメラとは異なり、撮影のためには対象が長い時間制止していなければいけなかったが、カメラで撮影した写真をもとに絵を描くことで、科学的な視点から絵画を書くことが可能になった。
写真の技術は光の技術である。
 p.33
註34 「オルフォイス、オイリュディケ、ヘルメス」
オルフェウス、エウリュディケ、ヘルメスも参照のこと。
これはドイツの詩人ライナー・マリア・リルケの詩。
 p.34
イラン・コントラ事件:Iran-Contra Affair [固有名詞(事件・政治)]
航空軍事用語辞典++‐イラン・ゲート事件Wikipedia−イラン・コントラ事件

宇宙船エンタープライズ号:
SFドラマ「スター・トレック」に出てくる宇宙船のこと。SFにちょっと興味が無くも無い人なら大抵知っている筈。ちなみに、エンター・プライズ号にはB型とかC型とか細かい種類がある。大塚芳忠吹替のデータ少佐が好きです。
Worth1000.com‐"If Trekkies ruled" Trekkie(トレッキー)とはスター・トレックマニアのこと。

25feet自動巻尺=762m

エンパイア・ファイバーグラス巻尺:

32feet9inch3/4=975m49.445cm
1/4inch=0.635cm
 p.35
『このイヴは知恵の実を手に取ろうとせず、林檎よりもオレンジをえらんだのだ』
知恵の実=林檎?
創世記初っ端に起きる原罪事件。蛇にそそのかされたイヴが食べてはいけないと云われた知恵の実(善悪の木の実)を食べてしまい、そしてアダムもイヴに云われて食べてしまう。エデンの園で二人が近付くなと云われた木は「善悪の木」と「命の木」があり、命の木の実を食べると永遠の命が手に入る。神はそちらも食べられてしまう事も恐れていたようだ。

知恵の実が林檎だという記述は無かったように思うのだが、英語では男性の咽喉仏の事をAdam's appleと云う。アダムが種を巧く飲み込めず、咽喉にひっかけたからだそうだ。
 p.36
弔刊(ちょうかん):
「朝刊」のミススペリング。よく訳せたものだ。
morning(朝)
mourning(弔うこと) < mourn(動詞):死や不幸を悲しむ、死者を悼む

RLBとイニシャルを刻んだ傷だらけのショットガン:
恐らく編集者への手紙の部分に登場するものと同一。誰のイニシャルなのだろう?
 p.37
二卵性の双生児:
二つの卵が異なる二つの精子によって受精し、胎内で同時に育ったもの。これに対するものは一卵性の双生児で、此方は一つの精子と卵子による受精卵から生じた双子。一卵性の場合は遺伝子と性別が同じになる。

水準器:
水平器とも云う(此方の方が一般的な呼び方である気がしないでもない)。面が水平になっているかどうかを調べる器具で、簡素なものでは、アルコールを満たした管の中の泡が二つの線の間に収まれば水平を示す。ブロック塀を積む時や、コンクリートを流し込んで水平に整える際などにも用いられる。

マサチューセッツ州ローウェル: [固有名詞(地名・アメリカ合衆国)]

ヴァージニア州: [固有名詞(地名・アメリカ合衆国)]

 p.38
1/4inch→5/16inch=0.635cm→0.79375cm
誤差はつまり1/16inch:0.15875cm
 p.41
トルストイ:Leo Tolstoy [固有名詞(人名・実在)]
レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ(Лев Николаевич Толстой)。トルストイはロシア人だが"Dans le doute, moncher ... adstiens-toi."これはフランス語。何故かは知らない。p.42に「たぶんフランス語のところをちゃんと発音できるから、ってことだったんだと思う」とあるので、フランス語で書かれた部分があるのかもしれない。
フランス語はカナダのケベック州で公用語として使われているが、それは17Cにフランス人が此処を開拓した為である。現在もケベック州の8割以上がフランス系。

ギボンズ:Edward Gibbon [固有名詞(人物・実在)]
著書『ローマ帝国衰亡史』。
『愛書地獄』だったか『愛書煉獄』だったかで、主人公が悪魔(である老人)にこれを買えと命じられてヒィヒィ云っている場面があった。

カルタゴ:Carthage [固有名詞(地名・イタリア)]
ローマの植民地。
confer:ポエニ戦争、ハンニバル将軍
 p.44
フレド・ド・スタベンラト:Fred de Stabenrath [固有名詞(人名)]
非実在?



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