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"Codex Seraphinianus" Luigi Serafini
本 で で き る こ と
グラフィック・デザイナーであり、建築家でもあるルイジ・セラフィーニが1981年に出版した架空の百科辞典。どこかの世界の生物、文字、食物、発明品などについて、これまた花文字にも似た架空の言語で書かれている。その色合いの鮮やかさ、奇抜でポップなデザイン、奇想天外なイマジネーションは、幾ら褒めても言葉が釣り合ってくれない。
架空の百科辞典はアカデミックかつオフィシャルな顔をして、実際には存在しない情報を提供してくれる。『トレーン、ウクバール、オルビス・ティルティウス』しかり、ヴォイニッチ手稿しかり、それらは別世界からの公式な親善大使であって、たとえ中身が解読できずとも、私達が全く見たことの無い事物が独自の秩序でもってひとつの世界を作り上げていることは分かる。
それはお前が"病気"なだけだと云われればそれで終いだが、"Codex Seraphinianus"は確かに、こういった事物が存在している世界についての百科辞典なのだ。存在しようとしまいと、飛び切り珍妙で、特異で、驚嘆に値する、魅力的な世界について教えてくれるアイテムなのだ。
小説や芸術の"中"は、基本的に誰かによって作られた虚構の世界であるが、この本が見せてくれる世界は桁違いの奇天烈さと完成度を誇っている。文字は解読できず、絵も部分的にしか分からない。百科辞典だから激動の展開も涙のストーリーもたぶん無い。それでもなお断片から触れられる世界が一つの驚異(メルヴェイユ)であるとは、最早究極の創作だ。
最後の頁では、紙がめくれ、その奥の空間(!)になにやら瓦礫が散乱しているといった有様で、なんというかもう、私はこの本が、この世界が、愛しくて仕方ない。行けるものなら行きますとも!買えるものなら、買いますとも……2万円でも……って、これ、どうやったら買えるんでしょう。結構ガンバってみたんですけど。
→架空平行世界の百科事典「コデックス・セラフィニアヌス」
- GIGAZINE
→Codex Seraphinianus - BLOG × WORLDENDING
・以前はフォトアルバムサイト・Flickrで実物が全頁見られたのだが、今は米Yahoo!IDでのログインが必要になってしまった。
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